15-2演出雑記終わり
2025.03.06

15-2
結局芝居は俳優の物だと思う
作家がいて演出家がいて、あーだこーだと芝居について話して指導する
でも結局のところは、舞台上で疑似体験している俳優の心が本物であって
それを尊重する演出家でありたい。と思う。

俳優は受け身になってはダメだと思う。問題児でもいいし、へたくそでもいいんだけど、作品に対して真剣であれば、私は受け入れれると思う。

さて、ラストシーンであるが、実は私が一人で演じた動画がある。これは萌さんに動きの参考として渡した物だ。観劇された方が覚えているかは分からないが、私が最初にイメージしていたラストシーンとは若干異なっている。

最後ミドリは強いまなざしを持って、血の海に沈んでいってほしかった。
しかし、萌さんが稽古場で演じる時にはやればやる程しょぼくれたミドリが表れてしまい
最後は白旗を上げている様にも観えた。

でも私はこのシーンに関しては、自分のプランは簡単に捨て去った。萌さんが勝手にやってくれれば良いと、すんなり理解する事が出来た。

脚本家が「みえないなにか」と、ぼんやりした表現でト書きを記し、
好きにやってくれというメッセージだと認識し、
それに甘んじた私が居たので。
その演技は演じる俳優に委ねてこそ成立すると思ったからである。

だから、また次回ドラマシアター再演の公演では、違うミドリの姿がみれるのかもしれない、それは楽しみにとっておこうと思った。

やっぱり、芝居は俳優の物だ。演劇は俳優が一番苦しい立場にいるけれど、それでも一番輝くのは俳優なんだな。

じゃあ、小菅はいいのかって?と絶対聞かれると思うのでここで答えますが
そんな俳優すらも凌いでなお演劇を作ろうという気持ちがあるからじゃないんかな。
私は演劇が好きだと思った事はないんだけど。
最後はエゴの塊になって、自分のやりたい演劇をやるっていう選択が演出という道だったのかもしれないし。演劇をやめる人は沢山いるけれど、その人達の分も背負って芝居を作っていきたいと思う今日この頃だったりする。

さて、「まほろば」演出雑記も今日でおしまいです。皆さんありがとうございました。

この演出雑記は昨年の「あゆみ」の公演から始まり、今回で3回目です。
インスタグラムをぼちぼち更新して、コアな方々に読んでいただければと思い書き綴っておりました。過去の投稿がだいぶ後ろにさがってしまったのでブログか何かで掘り起こしていこうかなと思ったりしています。

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それを励みにこの先も続けてまいります。それでは、ありがとうございました!

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